- 「ハンドメイドの売上は増えてきたのに、お金の不安がなくならない」
- 「いつか本業にしたいけれど、毎月いくら必要なのか分からない」
そんな時は、売上目標を上げる前に、生活から毎月出ていく固定費を確認することが大切です。売上は月によって変わりますが、家賃や通信費、保険料、サブスクなどは、販売数に関係なく支払いが続くからです。ただし、固定費は何でも減らせばよいわけではありません。安心のために残したい支払いもあれば、家族との相談が必要な契約もあります。
この記事では、ハンドメイド作家が確認したい生活固定費を7項目に分け、明細の集め方から見直し候補の整理まで解説します。記事を読めば、削ることから始めず、何を残し、何を確認するかを決められます。
とも先生固定費の見直しはとても重要!馬鹿にできないです。まずは毎月と毎年の支払いを見えるようにしましょう。
- ハンドメイド作家が生活固定費を確認する理由
- 事業の固定費と生活の固定費の違い
- 最初に洗い出したい7項目
- 支払いを3つに分ける見直し手順
- 固定費を見直す時の注意点
家計と作家活動のお金が混ざっている方は、事業用の支払いを以下の記事で確認してください。
>>事業用の支払いを分ける方法を見る
ハンドメイド作家が見る固定費は2種類ある


ハンドメイド作家にとっての固定費は、事業と生活の2種類に分かれます。この2つを混ぜると、作品を売るために必要な金額と、暮らすために必要な金額が分からなくなります。
| 種類 | 主な例 | 確認する目的 |
|---|---|---|
| 事業の固定費 | 販売ツール、会計ソフト、保管場所、月額サービス | 作家活動の利益を確認する |
| 生活の固定費 | 住まい、通信、保険、サブスク、車、教育 | 毎月の暮らしに必要な金額を確認する |
この記事で扱うのは、後者の生活固定費です。材料費、梱包費、出店料、販売手数料など、売るために必要な事業経費は対象にしません。事業用の支払いを分けたい方は、以下の記事も参考にしてください。
>>ハンドメイド作家にクレジットカードは必要?事業用に分けるメリットと選び方



生活費と事業費は、どちらも大切です。ただし、同じ表で曖昧に管理すると判断しにくくなります!別管理がとても大切!
売上を増やす前に生活固定費を確認する3つの理由
生活固定費を先に確認する理由は、以下の3つです。
- 毎月最低限必要な金額を把握しやすくなる
- 売上の少ない月に慌てにくくなる
- 副業から本業へ進む条件を家族と話しやすくなる
①毎月最低限必要な金額を把握しやすくなる
売上目標だけを決めても、生活に必要な金額が分からなければ、本業化できるか判断できません。月に30万円売れても、材料費や手数料を引いた利益がいくら残るかで状況は変わります。
さらに、その利益から生活へ回す金額も必要です。まず生活固定費を一覧にして、毎月必ず出ていく金額を確認しましょう。
②売上の少ない月に慌てにくくなる
イベント販売やオンライン販売の売上は、毎月同じではありません。天候、開催場所、在庫、季節、告知の状況によって変わります。
一方、生活固定費の多くは売上に関係なく支払いが続きます。必要額が見えていれば、売上の少ない月に何を優先するか考えやすくなります。
③副業から本業へ進む条件を家族と話しやすくなる
私たちは、ハンドメイド作家の妻と、それを支える夫として講師を務めた経験もあります。その中で、本気で活動したいのに、生活支出が見えず、アルバイトを辞める判断ができない作家さんも見てきました。
これは、行動力だけの問題ではありません。家族の暮らしに必要な金額と、作家活動から残る金額を分けて話せる状態が必要です。



本業化は勢いだけで決めるものではありません。家族と数字を見ながら条件を決めることが重要です!
収入と本業化の全体像は、以下の記事で詳しく解説しています。
>>ハンドメイド作家の収入はいくら?本業化までの売上・利益・働き方を解説
固定費は、挑戦を続けるための守りとして見る
本業化に向けた不安を「商品や売り方が伸びるか」という売上面と、「売上で生活できるか」という生活面に分けて考えています。売上を伸ばす方法を考えるだけでは、生活の支払いが残るため、両方を見ておく必要があります。
その生活面の守りとして紹介されているのが、家計管理と固定費の見直しです。固定費を確認しておくと、収入が下がった月にどの支払いを優先するかを考えやすくなり、家族へ活動の見通しも説明しやすくなります。
固定費を見れば必ず支出が減る、という意味ではありません。今の契約を残す理由まで含めて、判断材料をそろえることが目的です。
私たちも、販売や発信を伸ばすことと、家計や経理を整えることを別の仕事として分担してきました。攻めと守りのどちらか一方に寄せるのではなく、まず生活固定費を一覧にし、そのうえで作家活動へ使える金額を考えます。
ハンドメイド作家が確認したい生活固定費7項目
最初に確認したい生活固定費は、以下の7項目です。一度に契約を変えず、まず支払先と金額を並べましょう。
①住まいに関する支払い
家賃、住宅ローン、管理費、駐車場代など、住まいに関する毎月の支払いを確認します。金額が大きい項目ですが、安易に変更できるものではありません。
ここでは削減を決めず、月額、更新時期、契約名義を確認します。住宅ローンの借り換えなど個別の判断は、金融機関や専門家へ確認してください。
②スマホ・Wi-Fi・インターネット
スマホ、Wi-Fi、光回線、端末代、オプション料金を分けて確認します。家族分をまとめて支払っている場合は、何回線あるかも書き出します。
作家活動では、SNS投稿、商品撮影、オンラインショップ、キャッシュレス決済で通信を使います。金額だけでなく、必要な通信量や安定性も残す判断材料にしましょう。



作家活動に通信環境は欠かせません。安さだけで決めず、販売時にも困らない条件を残しましょう!
③電気・ガス・水道
電気、ガス、水道は、請求額と契約先を確認します。季節によって金額が変わるため、1か月だけで決めず、可能であれば数か月分を見ましょう。
制作に電気や水を多く使うジャンルもあります。ただし、家事利用と事業利用の税務上の分け方は、この記事では扱いません。経費判断が必要な場合は、税理士や税務署へ確認してください。
④サブスク・アプリ・年会費
動画、音楽、写真加工、クラウド保存、学習サービス、アプリ内課金、カード年会費を確認します。月額だけでなく、年払いの契約も12か月で割ると比較しやすくなります。
国民生活センターは、無料期間後に有料プランへ移行する契約があることや、アプリを削除しただけでは解約にならない場合があると注意を促しています。カードやキャリア決済の明細を見て、契約状況と公式の解約方法を確認しましょう。
⑤医療保険などの継続的な支払い
医療保険や生命保険などは、保険会社、月額または年額、更新時期、保障内容を確認します。ここでも、すぐに解約することが目的ではありません。
必要な保障は、家族構成や働き方で変わります。特定商品の推奨や解約判断は行わず、不明点は保険会社や専門家へ確認しましょう。ぼったくり保険が非常に多いので、そこは注意が必要です。



保険は何のために入っているかを先に確認しましょう!
⑥車・駐車場・交通に関する支払い
車のローン、駐車場、任意保険、定期券などを確認します。イベント出店で車を使う場合は、生活だけでなく作家活動にも必要な可能性があります。
私たちも、荷物を車へ積み、搬入、設営、販売、撤収まで130回以上経験してきました。出店に必要な車を金額だけで不要と判断せず、利用目的に応じたサイズ感で選ぶのが大切です。
車を活用される方は、ガソリン費用も経費にできますので使わない手はないです。任意保険の内容は、手厚すぎると金額が大きくなるので注意も必要です。
⑦教育・家族に関する継続的な支払い
保育、習い事、学校関連、家族で利用するサービスなど、毎月または毎年続く支払いを確認します。本人だけでは決められないものは、勝手に変更しないことが大切です。
「必要」「不要」の二択ではなく、誰が利用しているか、いつ話し合うかを書きます。家族の安心を減らしてまで、作家活動の費用を作る必要はありません。
固定費を見直す5つの手順
固定費は、以下の5つの手順で整理します。最初から家計簿を完成させる必要はありません。
Step 1:直近3か月の明細を集める
クレジットカード、銀行口座、キャリア決済、請求メールを確認します。1か月だけでは見つからない年払いもあるため、可能であれば過去1年分まで検索しましょう。
明細を誰かに渡す必要はありません。カード番号、口座番号、住所、会員番号は記録せず、サービス名と支払額だけを一覧にします。
Step 2:月額と年額をそろえる
毎月払いと年払いが混ざっていると、負担を比較しにくくなります。月額は12倍して年額へ、年額は12で割って月あたりの目安へ直します。
たとえば年額12,000円なら、月あたり1,000円です。小さく見える支払いも、同じ単位へそろえて確認しましょう。



年間の1万円でも、本当に必要なことに使える1万円のほうが良いですよね。
Step 3:支払いを3つに分ける
一覧にした支払いを、次の3つに分けます。
| 分類 | 判断の目安 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 残す | 現在利用しており、生活や活動に必要 | 次回確認日を書く |
| 内容を確認する | 金額、契約内容、更新時期が不明 | 公式ページや窓口で確認 |
| 停止候補 | 利用していない、重複している | 解約条件を確認して家族と相談 |
大切なのは、いきなり「解約する」と決めないことです。分からない支払いは、まず「内容を確認する」へ置きましょう。



迷った項目は保留で大丈夫です!分からないまま契約を変えないことが大切です。
Step 4:公式情報と契約条件を確認する
変更候補が決まったら、各社の公式ページ、契約書、更新案内を確認します。解約金、端末代の残り、更新日、家族割など、関連する条件がないかを見ましょう。
比較サイトやSNSだけで判断しないことが重要です。最終的な条件は、契約先の公式情報で確認してください。
Step 5:次に確認する日を決める
一度整理して終わりにすると、年払いの更新や新しい契約を見落とします。半年後、1年後、引っ越しや働き方が変わった時など、次に確認する日を決めましょう。
金融庁も、家計管理の基本として収入と支出を把握・管理することを挙げています。完璧な家計簿より、支払いの全体像を定期的に確認できる仕組みを作ることが先です。
固定費の見直しで避けたい5つの失敗
固定費を整理する時は、以下の5つに注意してください。
①事業経費と生活費を同じ数字にする
材料費や出店料と、家賃やスマホ代を同じ一覧だけで管理すると、作品が売れて残った利益を確認しにくくなります。表や口座を分け、最後に全体を確認しましょう。
②必要な支払いまで一気にやめる
固定費の見直しは、金額を最小にする競争ではありません。制作や販売に必要な通信、家族の安心に必要な保障など、残す理由がある支払いもあります。
③数百円だけを追い続ける
小さな支払いの確認も必要ですが、時間を使いすぎると作家活動が止まります。金額が大きい項目、内容が分からない項目、重複している項目から順番に見ましょう。
④解約条件を見ずに変更する
変更や解約には、期限、違約金、端末代、返却物などの条件が付く場合があります。必ず公式情報を確認し、必要な記録を残してください。
⑤家計情報をそのまま共有する
固定費を相談する場合でも、明細の原本やカード番号、口座番号、ID、パスワードを渡す必要はありません。サービス名、支払額、更新時期など、判断に必要な情報だけへ絞りましょう。



お金を整理する時ほど、個人情報は必要最小限にしましょう!
固定費整理シートの記入例
固定費は、以下のような表にすると確認しやすくなります。削減予定額ではなく、次に行う確認を記録することがポイントです。
| 項目 | 支払先 | 月額換算 | 利用状況 | 分類 | 次の確認 |
|---|---|---|---|---|---|
| スマホ | A社 | 例:6,000円 | 毎日利用 | 内容を確認 | データ使用量とオプション確認 |
| 動画配信 | B社 | 例:1,200円 | 月1回未満 | 停止候補 | 解約条件を公式ページで確認 |
| クラウド保存 | C社 | 例:500円 | 商品写真で利用 | 残す | 6か月後に容量確認 |
| 保険 | D社 | 例:年額を12分割 | 内容が不明 | 内容を確認 | 契約内容を公式窓口で確認 |
この表だけで、契約の変更を決める必要はありません。分からない項目を見つけ、確認する順番を作るために使いましょう。
固定費を一人で整理しにくい方へ
固定費を並べても、「これは残してよいのか」「次に何を確認すればよいのか」で止まることがあります。特に、家計と作家活動の両方を見ていると、判断項目が増えます。
ハンドメイド大学では、生活関連の固定費をシートへ整理し、初回と最終のオンライン面談で確認順を決める「固定費 本診断」を用意しています。対象は生活固定費で、材料費、出店料、梱包費などの事業経費は含みません。
このサービスは、削減額や売上増加を保証するものではありません。料金、含まれるもの、対象外、利用の流れを確認したうえで検討してください。
\固定費の見直しを今の暮らしに合わせて整理/
よくある質問
固定費はどれくらいの頻度で見直せばよいですか?
半年から1年を一つの目安にし、引っ越し、転職、独立、家族構成の変化などがあった時にも確認しましょう。契約ごとの更新時期を記録しておくと、慌てずに確認できます。
固定費を見直せば、必ず支出は減りますか?
必ず減るとは限りません。利用状況を確認した結果、現在の契約を残す方がよい場合もあります。目的は削減額を作ることではなく、支払いの内容と優先順位を把握することです。
事業の材料費や出店料も相談できますか?
固定費 本診断の対象は、住まい、通信、光熱費、サブスク、保険、車など生活関連の固定費です。材料費、出店料、梱包費などの事業経費は対象外です。
家族に言わずに契約を変えてもよいですか?
家族が使う通信、保険、教育、車などは、一人で変更しないことが大切です。利用状況と変更後の影響を整理し、契約者や利用者と確認してから判断しましょう。
まとめ:売上目標の前に毎月出ていくお金を見よう
ハンドメイド作家が固定費を見直す時は、削ることから始めません。まずは住まい、通信、光熱費、サブスク、保険、車、教育などを一覧にし、月額と年額をそろえます。
そのうえで、支払いを「残す」「内容を確認する」「停止候補」の3つに分けます。売上を伸ばすことと、出ていくお金を整えることは、どちらも作家活動を続けるために必要です。
完璧な家計簿は不要です。まず直近の明細から、サービス名と金額を書き出してみましょう。
Fixed Cost Check
1分で分かる!固定費削減 簡易診断
「ハンドメイドを本業にしたい。でも、お金の不安があって踏み出せない」そんな方へ。固定費を見直すことで、毎月の出費を減らし、本業化に向けた現実的な余裕をつくることができます。
\売上目標の前に固定費を見える化/
