- 「この作品、いくらで販売すればいいんだろう」
- 「高いと思われたら怖いから、少し安めにしておこうかな」
ハンドメイド販売を始めると、作品づくりよりも価格設定で手が止まってしまうことがあります。
ハンドメイドの価格設定で大切なのは、材料費だけで値段を決めないことです。材料費、梱包費、販売手数料、出展料、制作時間、そして次の制作に回す利益まで含めて考えないと、売れているのに手元にお金が残らない状態になりやすくなります。
この記事では、ハンドメイド作品の価格設定の基本、原価と利益の考え方、値下げ前に見直したいポイント、作家活動を続けるための値段の決め方を解説します。
とも先生価格は感覚で決めるほど苦しくなります。まずは数字で見える化しましょう!
- ハンドメイドの価格設定で入れるべき費用
- 原価、手数料、利益、制作時間の考え方
- ネット販売とイベント販売で変わる費用
- 値下げ前に確認したい写真・説明文・販売場所
- お客様に価格を納得してもらうための伝え方
商品、価格、販売導線の土台から整理したい方は、以下の記事も参考にしてください。
>>【有料級】売れる売れないハンドメイド作家|稼げるマインド・商売15の基本
ハンドメイドの価格設定で迷う理由
ハンドメイド作品の価格設定で迷いやすい理由は、計算だけの問題ではありません。自分で作った作品だからこそ、「この価格で買ってもらえるのかな」「高いと思われないかな」「他の作家さんより高くして大丈夫かな」と不安になりやすいです。
特に販売を始めたばかりの時期は、まず売れた経験が欲しくて、つい安めに設定してしまうことがあります。
高いと思われるのが怖い
価格を上げることに抵抗がある作家さんは多いです。ただ、安くすれば必ず買ってもらえるわけではありません。安すぎる価格は、作品の価値が伝わりにくくなったり、制作を続けるほど苦しくなったりする原因にもなります。
価格は「お客様からお金を奪うもの」ではなく、作品の価値と交換するものです。



高いと思われるのが怖い時ほど、安くする前に価値が伝わっているかを見直しましょう!
材料費だけで決めると利益が残らない
材料費だけを見て価格を決めると、梱包費、販売手数料、送料、出展料、交通費、制作時間が抜けやすくなります。たとえば材料費が800円の作品を1,500円で販売しても、梱包費や手数料、イベント出店にかかった費用を引くと、実際の利益はかなり少なくなることがあります。
「売れたのに残らない」と感じる時は、価格ではなく、計算に入れている費用の範囲を見直す必要があります。



材料費だけで見ると、売れているのに手元に残らない状態になりやすいです!
売れない原因を価格だけで判断してしまう
売れない時に、すぐ値下げしたくなることがあります。でも、売れない原因は価格だけとは限りません。写真で魅力が伝わっていない、商品説明が足りない、販売場所とお客様が合っていない、SNSやプロフィールから購入ページへの導線が弱いなど、別の場所に原因があることもあります。
値下げは最後の手段にして、まずは価値の伝え方を確認しましょう。
値下げ前に、問題を6つに分ける
「売れないから価格を下げる」と決める前に、原因を分けて見ておくと判断しやすくなります。
| 見る場所 | 確認すること |
|---|---|
| 商品 | 作品の用途、サイズ、素材、選ばれる理由がはっきりしているか |
| 価格 | 原価、手数料、制作時間、利益を入れても続けられるか |
| 見せ方 | 写真、着用イメージ、説明文で価値が伝わっているか |
| 導線 | SNS、プロフィール、販売ページ、イベント情報がつながっているか |
| 販売場所 | その場所のお客様と価格帯、作風、接客スタイルが合っているか |
| 接客 | 迷っている人の不安を減らす言葉や表示が用意できているか |
価格だけを触ると、一時的に売れやすくなることはあります。けれど、商品や導線の問題が残ったままだと、安くした分だけ利益が薄くなります。値下げは悪いことではありません。ただし、先に上の6つを見ておくと、「本当に下げるべき価格なのか」「伝え方を直せば届く価格なのか」を分けて考えられます。



売れない原因を価格だけにしないことが大切です。写真・説明・導線もセットで見ましょう!
価格設定に入れる費用一覧


minneのヘルプでは、販売価格には原価、販売手数料、利益を含める必要があると説明されています。また、原価には材料費だけでなく、梱包代、道具代、試作費、自分の人件費なども含まれます。
参照: 「販売価格」の決め方〜ハンドメイド作品の原価って? – minne ヘルプとガイド
| 費用項目 | 例 | 見落としやすいポイント |
|---|---|---|
| 材料費 | パーツ、布、金具、レジン液、糸 | まとめ買いした材料は1点あたりに割る |
| 梱包費 | 箱、台紙、袋、緩衝材、ショップカード | 1点ごとの消耗品として計算する |
| 販売手数料 | 販売サイト手数料、決済手数料 | 販売場所ごとに条件が変わる |
| 送料関連 | 送料、配送資材、追跡オプション | 送料無料にする場合も実際は費用がかかる |
| 出展費 | イベント出展料、什器、交通費 | 1日全体の費用を販売予定数で割る |
| 制作時間 | 制作、撮影、梱包、発送作業 | 自分の人件費をゼロにしない |
| 試作・道具 | 試作材料、工具、撮影小物 | 長く使うものは期間や点数でならす |
ポイントは、原価を「材料費だけ」と考えないことです。ハンドメイド作品は、仕入れて売るだけの商品とは違い、制作時間や試作、写真撮影、梱包、販売準備も価値の一部です。
ハンドメイド価格の計算方法
価格設定は、最初から完璧に決めようとしなくて大丈夫です。まずは次の順番で、1点あたりの数字を出してみましょう。
Step 1: 材料費と梱包費を出す
作品1点に使った材料と梱包資材を出します。10個分まとめて購入した材料は、10で割って1点あたりにします。台紙や袋、箱、緩衝材、ショップカードも、毎回使うなら原価に入れましょう。
Step 2: 制作時間を金額にする
自分の制作時間もコストです。たとえば、1点作るのに60分かかり、自分の時間を1時間1,200円として見るなら、制作時間のコストは1,200円です。最初はざっくりで構いません。制作、検品、梱包、発送準備まで、どれくらい時間がかかっているかを測るだけでも価格の見え方が変わります。



制作時間をゼロ円にすると、作るほど自分の時間が削られていきます!
Step 3: 販売場所ごとの手数料を入れる
ネット販売、イベント販売、委託販売では、かかる費用が変わります。BASE Uでは、ハンドメイドの価格設定方法として、原価率をもとにする計算、利益率をもとにする計算、市場や競合商品の価格確認、ブランド性や希少性で調整することが紹介されています。
手数料はサービスごとに変わるため、記事内の古い情報だけで判断せず、使う販売サイトや決済サービスの公式ページを確認してください。
Step 4: 利益を決める
利益は、作家活動を続けるためのエネルギーです。次の材料を仕入れる、什器を買う、写真を整える、イベントへ出る、学びに投資する。そうした次の行動に使えるお金が残らないと、売れているのに活動が苦しくなってしまいます。
Step 5: お客様に伝わる価格か見直す
計算で出した価格が、お客様に伝わる状態になっているかも確認します。価格そのものだけでなく、写真、商品説明、着用イメージ、サイズ、素材、制作背景、ブランドの世界観が伝わっているかを見直しましょう。
価格計算の例
ここでは、アクセサリー作品を例にざっくり計算します。実際の価格は、ジャンル、販売場所、ブランド、制作時間によって変わるため、自分の数字に置き換えて考えてください。
| 項目 | 金額例 |
|---|---|
| 材料費 | 900円 |
| 梱包費 | 150円 |
| 販売手数料・決済手数料の見込み | 250円 |
| イベント出展費・交通費の1点あたり配分 | 300円 |
| 制作時間 1時間 × 1,200円 | 1,200円 |
| 次の制作に回す利益 | 1,000円 |
| 目安の販売価格 | 3,800円 |
この例では、材料費だけを見ると900円ですが、制作時間や販売にかかる費用まで含めると、3,000円台後半の価格が必要になります。もし「3,800円は高く見えるかも」と感じたら、すぐに値下げする前に、次の点を確認します。
- 写真でサイズ感や使う場面が伝わっているか
- 商品説明で素材、重さ、金具、扱い方がわかるか
- なぜこの価格なのか、制作背景やこだわりが伝わるか
- 販売場所のお客様と価格帯が合っているか
- セット販売や定番商品など、選びやすい設計にできないか
価格は計算だけで決まるものではありません。計算で赤字を防ぎ、見せ方と言葉で価値を伝えることが大切です。



計算は赤字を防ぐため、見せ方は納得して選んでもらうためです!
ネット販売とイベント販売で変わる費用
同じ作品でも、ネット販売とイベント販売では価格に入れる費用が変わります。
| 販売場所 | 入れたい費用 | 注意点 |
|---|---|---|
| ネット販売 | 販売サイト手数料、決済手数料、梱包費、送料、撮影時間 | 送料無料にする場合も送料は消えない |
| イベント販売 | 出展料、交通費、什器、決済手数料、在庫準備、接客時間 | 1日の固定費を販売予定数で割る |
| 委託販売 | 委託手数料、納品送料、タグ・台紙、在庫管理時間 | 手数料率と精算条件を先に確認する |
イベント販売では、出展料や交通費、什器代、決済端末、ショップカードなど、当日までにかかる費用が多くなります。また、キャッシュレス決済を導入する場合は、決済手数料も価格設計に入れておきましょう。Square公式サイトでは、対面決済手数料は2.5%から、オンライン決済や非対面決済は決済方法により異なると案内されています。条件は変わる可能性があるため、導入前に公式ページで最新情報を確認してください。
イベント販売の決済まわりを整えたい方は、以下の記事も参考にしてください。
>>Square(スクエア)決済はハンドメイド作家に必要?導入判断と使い方・手数料まとめ
値下げする前に確認したいこと
作品が売れない時、価格を下げたくなる気持ちは自然です。ただ、値下げをすると利益が減ります。利益が減ると、次の制作、出店、撮影、学びに回すお金が少なくなり、活動を続ける体力も削られてしまいます。
値下げの前に、次の4つを確認しましょう。
商品価値が伝わっているか
写真だけで雰囲気は伝わっていても、素材、サイズ、軽さ、使う場面、ギフト向きかどうかが伝わっていないことがあります。お客様は、かわいいと思っても、購入後のイメージが湧かないと迷います。
商品説明で不安を減らせているか
価格に納得してもらうには、購入前の不安を減らすことが大切です。金具の種類、サイズ、重さ、発送目安、ラッピング、アレルギーへの配慮、扱い方など、購入前に知りたい情報を入れましょう。
販売場所とお客様が合っているか
同じ価格でも、販売場所によって受け取られ方は変わります。安さを求める場所で高単価作品を売ろうとすると苦しくなりやすいです。反対に、ギフト需要や世界観を大切にする場所では、価格よりも選ぶ理由が重視されることがあります。
安くしすぎて見え方を下げていないか
安すぎる価格は、お客様にとって買いやすい一方で、「なぜこんなに安いのだろう」と不安に見えることもあります。価格を下げる前に、作品の価値と価格が釣り合って見えているかを確認しましょう。



値下げは最後の調整です。先に作品の見え方と販売場所を確認しましょう!
価格に納得してもらうための伝え方
価格設定は、数字を決めて終わりではありません。その価格で選んでもらうには、作品の価値を言葉と写真で伝える必要があります。
| 伝える要素 | 書き方の例 |
|---|---|
| 制作背景 | どんな場面で使ってほしくて作ったか |
| 素材 | 肌あたり、重さ、耐久性、季節感 |
| 手間 | ひとつずつ調整している部分、検品の工程 |
| 使用シーン | 普段使い、ギフト、イベント、仕事の日 |
| ブランドらしさ | 色、言葉、世界観、届けたい気持ち |
たとえば、「天然石のピアスです」だけでは価格の理由が伝わりにくいです。「軽さにこだわり、長時間つけても負担が少ないようにパーツを選んでいます」「ギフトでも渡しやすいように、箱と台紙まで統一しています」のように、選ぶ理由を言葉にすると価格への納得感が生まれやすくなります。
ブランドの価値観や世界観から価格の伝え方を整えたい方は、以下の講座も参考にしてください。
>>Vol.2|売れる世界観を作る、ブランディング設計講座
本業化を目指すなら続けられる価格にする


副業から本業化を考えるなら、価格はさらに大切になります。本業化は、気合いだけで近づくものではありません。商品、価格、販売場所、導線、接客、リピーター化を見直し、続けられる形にしていく必要があります。
売る月、整える月、育てる月、休む月を分けて考えることも大切です。毎月ずっと新作を出し続けるだけでは、写真、商品説明、在庫、SNS導線、イベント後フォローの見直しが追いつかなくなります。安くしないと売れない状態が続くと、制作時間を増やしても収入が伸びにくくなります。
一方で、利益が残る価格にできると、次の商品づくり、撮影、イベント出店、販売ページ改善、学びへの投資がしやすくなります。



本業化を目指すなら、利益は贅沢ではなく続けるための体力です!
収入や本業化の目安を整理したい方は、以下の記事も参考にしてください。
>>ハンドメイド作家の収入とは?本業にできる?月収を安定させるコツ
あなたに合う講座診断
今の悩みに近いものを選ぶだけ。あなたが先に整えるべき学びを、6つの授業から目安で診断します。
1 / 5
診断結果は目安です。売上や成果を保証するものではありません。
ハンドメイド価格設定でよくある失敗
価格設定でよくある失敗は、次の5つです。
| 失敗 | 起きやすいこと | 見直し方 |
|---|---|---|
| 材料費だけで決める | 売れても利益が残らない | 梱包費、手数料、制作時間も入れる |
| 周りより安くする | 価格競争になりやすい | お客様・販売場所・価値で比べる |
| 手数料を後から引く | 想定より利益が少ない | 販売場所ごとに手数料を先に入れる |
| 値上げ理由を伝えない | お客様が変化に戸惑う | 素材・仕様・品質・制作背景を説明する |
| 売れない原因を価格だけにする | 必要以上に値下げする | 写真、説明、導線、販売場所も確認する |
特に注意したいのは、「安いから買われる」を目指しすぎることです。もちろん、買いやすい価格帯を考えることは大切です。ただし、作家自身が苦しくなる価格では、長く続けられません。お客様も納得できて、作家も続けられる。その接点を探すのが、ハンドメイドの価格設定です。
よくある質問
ここではハンドメイドの価格設定についてよくある質問を解説します。
ハンドメイドの価格設定は何から始めればいいですか?
まずは材料費、梱包費、販売手数料、送料、出展料、制作時間を1点あたりで出しましょう。そのうえで、次の制作や出店に回す利益を加えます。最初から完璧に決めるより、数字を見える化することが大切です。
原価率は何%が目安ですか?
minneやBASE Uでは、原価率の考え方が紹介されています。ただし、ジャンル、販売場所、制作時間、ブランド性によって適切な原価率は変わります。目安をそのまま当てはめるより、自分の制作時間と必要利益を含めて判断しましょう。
売れない時は値下げした方がいいですか?
すぐ値下げする前に、写真、商品説明、販売場所、プロフィール、購入導線を確認しましょう。価格が原因ではなく、価値が伝わっていないだけの場合もあります。値下げは利益を減らすため、最後の調整として考えるのがおすすめです。
イベント販売ではネット販売より高くしてもいいですか?
イベント販売では、出展料、交通費、什器、決済手数料、接客時間などがかかります。そのため、ネット販売と同じ価格にする必要はありません。ただし、お客様に違和感が出ないよう、販売場所ごとの費用と価値の伝え方を整理しましょう。
値上げする時はどう伝えればいいですか?
素材、仕様、梱包、制作工程、品質維持など、価格を見直す理由を丁寧に伝えましょう。「値上げします」だけでなく、より良い状態で作品を届け続けるための見直しだと伝えると、お客様にも納得してもらいやすくなります。
Fixed Cost Check
1分で分かる!固定費削減 簡易診断
「ハンドメイドを本業にしたい。でも、お金の不安があって踏み出せない」そんな方へ。固定費を見直すことで、毎月の出費を減らし、本業化に向けた現実的な余裕をつくることができます。
まとめ
ハンドメイドの価格設定は、材料費だけで決めるものではありません。原価、手数料、制作時間、販売場所ごとの費用、そして次の活動に回す利益まで含めて考えることが大切です。価格が高く見えないか不安な時ほど、すぐ値下げするのではなく、写真、商品説明、販売場所、導線、ブランドの伝え方を見直しましょう。



続けられる価格を作ることは、作品を大切に届け続けるための土台です!
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