- 「ハンドメイド作品をお店に置いてもらいたいけれど、何から始めればいいかわからない」
- 「委託販売なら、自分が店頭に立たなくても売れるのかな」
そんなふうに考えたことがあるハンドメイド作家さんも多いのではないでしょうか。
委託販売は、雑貨店、美容室、カフェ、セレクトショップ、レンタルボックスなどに作品を置いてもらい、お客様に購入してもらう販売方法です。イベントに出展しなくても、作品を見てもらえる場所を作れるのが大きな魅力です。
ただし、委託販売は「置いてもらえれば自然に売れる」仕組みではありません。お店の客層、作品の価格帯、ディスプレイ、納品頻度、在庫管理、精算条件が合っていないと、せっかく委託先が決まっても思うように売れないことがあります。
ハンドメイド大学では、販売場所を「対面型」「ネット型」「委託型」に分けて考えます。どれが正解というより、自分の商品、自分の性格、今の売上フェーズに合う場所を選ぶことが大切です。この記事では、ハンドメイド委託販売の基本、委託先の選び方、始める前に準備するもの、売れない時の見直し方まで、作家活動を続けるための実務目線で解説します。
とも先生私たちも委託販売を行っていましたが現在は行っていません!自分たちがお客様へ届けたい想いを伝えにくいためです。
- ハンドメイド委託販売の基本
- 委託販売が向いている作家・向いていない作家
- 委託先を選ぶ時に見るポイント
- 納品書、在庫表、ショップカードなど準備するもの
- 委託販売で売れない時の改善ポイント
- POP-UP販売やオンライン販売との組み合わせ方
ハンドメイドの委託販売とは


ハンドメイドの委託販売とは、作家自身ではなく店舗側に作品を置いてもらい、販売してもらう方法です。販売された分だけ手数料を差し引いて精算される形が多く、条件は店舗ごとに異なります。
委託先としては、雑貨店、美容室、カフェ、セレクトショップ、レンタルボックス、地域のギャラリーなどがあります。アクセサリー、布小物、キャンドル、陶器、イラスト雑貨など、店舗の雰囲気と合う作品は委託販売と相性があります。ハンドメイド作家の販売場所は、大きく分けると次の3つです。
| 販売場所 | 例 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 対面型 | マルシェ、イベント、POP-UP、催事 | お客様の反応を直接見られる | 搬入、設営、出展料、移動の負担がある |
| ネット型 | BASE、minne、Creemaなど | 全国のお客様に届けられる | 写真、文章、導線、レビューを整える必要がある |
| 委託型 | 雑貨店、美容室、カフェ、レンタルボックス | 自分が店頭にいなくても販売機会を作れる | 接客を自分でできず、手数料や納品管理が必要 |
販売場所ごとの向き不向きを先に整理したい方は、以下の記事もあわせて読んでください。
>>ハンドメイド販売場所の選び方|ネット・イベント・委託の向き不向きを解説
委託販売の良さは、作品が「常設の売り場」に置かれることです。イベントのように1日で終わらず、一定期間お客様の目に触れる機会を作れます。お店の雰囲気と作品が合えば、ブランドの信用にもつながります。一方で、委託販売では作家本人が接客できません。
作品の魅力、使い方、こだわり、ギフト向きかどうかなどを、その場で直接伝えることができないため、タグ、POP、ショップカード、SNS導線がとても大切になります。



委託販売は「楽に売れる場所」ではなく、「自分の代わりに作品を見てもらう場所」です。だからこそ、店頭にいない時間でも魅力が伝わる準備が必要です。
委託販売が向いている作家・向いていない作家
委託販売は便利な販売方法ですが、すべての作家に合うわけではありません。向いているかどうかは、作品ジャンルだけでなく、今の活動フェーズや管理ができるかにも関係します。
| 向いている作家 | 理由 |
|---|---|
| 店舗の雰囲気に合う作品がある | お店の世界観と合うと、お客様が自然に手に取りやすい |
| 定番商品や在庫を用意できる | 売れた後の補充や入れ替えがしやすい |
| 納品・在庫・精算を管理できる | 店舗とのやり取りがスムーズになる |
| 対面販売だけに頼らず接点を増やしたい | 自分が店頭に立てない日も販売機会を作れる |
| ショップカードやSNS導線を整えられる | 購入後のリピートやオンライン販売につなげやすい |
まだ商品数が少なすぎる場合や、毎回1点ものだけで補充が難しい場合、在庫表や納品書を作るのがかなり負担に感じる場合は、いきなり委託先を増やしすぎない方が安全です。委託販売は、作品を預けて終わりではありません。売れた商品、売れなかった商品、補充タイミング、精算金額、手数料、在庫差異を見て、改善していく必要があります。
「委託先を増やせば売上も増える」と考えると、管理だけが増えて疲れてしまうことがあります。最初は1店舗から始めて、管理できる範囲で検証するのがおすすめです。
委託販売で売れない原因はセンス不足だけではない
委託販売で思うように売れないと、「私の作品に魅力がないのかな」「センスが足りないのかな」と落ち込んでしまうことがあります。でも、売れない理由をすべて作品のセンス不足にしないことが大切です。
販売場所を見直す時には、売上だけでなく利益、労力、商品価値が伝わっているか、Instagramから案内しやすいか、繰り返し育ちそうかまで見ることを大切にしましょう。委託販売で売れない時に考えたい原因は、たとえば次のようなものです。
- お店の客層と作品の価格帯が合っていない
- 店内の置き場所が目立ちにくい
- POPやタグだけでは作品の魅力が伝わっていない
- ギフト向きなのか自分用なのかが伝わらない
- 補充や入れ替えの頻度が少ない
- 季節感と商品ラインナップが合っていない
- 店舗スタッフが作品の説明をしにくい
- 購入後に作家のSNSやオンラインショップへ進めない
たとえば、イベント販売では直接お客様の反応を見られます。「この色に手が伸びる」「この価格で迷う」「この説明をすると納得してもらえる」といった情報が取れます。委託販売では、その反応が見えにくくなります。だからこそ、売れなかった時は「作品がダメだった」と決めつけるのではなく、販売場所、見せ方、説明、価格、導線を分けて見直しましょう。
委託先を選ぶ時に確認したいポイント
委託販売で大切なのは、「置いてくれるお店」ではなく「作品とお客様が出会いやすいお店」を選ぶことです。
委託先を探す時は、まず「ハンドメイド 委託販売 募集」「ハンドメイド 委託販売 作家募集」「委託販売 雑貨店 地域名」のように、募集意図があるキーワードで探すと見つけやすくなります。Instagramで「#委託販売募集」「#ハンドメイド作家募集」などを見る方法もあります。
ただし、検索結果に出てくる委託販売店や作家募集ページを、そのまま「良い委託先」と判断しないことが大切です。募集しているかどうかと、自分の作品・価格帯・客層が合うかどうかは別です。
気になるお店を見つけたら、実際の店内写真、置いている作品の雰囲気、価格帯、SNSの発信、作家紹介の仕方、販売条件を確認しましょう。可能であれば一度お客様として見に行き、自分の作品がその棚に並んだ時に自然に見えるかを想像してみるのがおすすめです。委託先を探す時は、次のポイントを確認しましょう。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 客層 | 自分の作品を買ってくれそうな年齢層、ライフスタイル、価格感か |
| 世界観 | 店内の雰囲気、色、什器、置いてある商品と作品が合うか |
| 価格帯 | 周辺の商品価格と比べて高すぎる・安すぎる違和感がないか |
| 置き場所 | 入口付近、レジ横、棚の高さなど、見てもらいやすい場所か |
| 手数料 | 手数料率、棚代、初期費用、更新費用があるか |
| 精算条件 | 月末締め、翌月払いなど、入金タイミングが明確か |
| 在庫管理 | 納品数、販売数、返品、破損時の扱いを確認できるか |
| SNS連携 | お店がSNSで紹介してくれるか、自分も案内しやすいか |
大きいお店や有名なお店だから必ず良い、というわけではありません。作品の雰囲気と合わない場所に置くと、見てもらえても購入にはつながりにくくなります。小さなお店でも、客層と世界観が合っていて、お店の方が作品を大切に扱ってくれる場所なら、長く育てる価値があります。
商売として長く続ける視点を持ちたい方は、以下の記事も合わせて確認しておくと、販売場所選びの考え方が整理しやすくなります。
>>【有料級】売れる売れないハンドメイド作家|稼げるマインド・商売15の基本
委託販売を始める前に準備するもの
委託販売を始める前に、作品だけでなく管理に必要なものも準備しておきましょう。
最低限そろえたいものは次の通りです。
- 商品リスト
- 価格表
- 納品書
- 在庫表
- 商品タグ
- 作品の取り扱い説明
- ショップカード
- SNSやオンラインショップへのQRコード
- 精算金額を確認する管理表
- 破損、返品、入れ替え時のルールメモ
特に大切なのは、納品数と販売数を追える状態にしておくことです。委託販売では、作品が自分の手元から離れます。どの商品を何点預けたのか、いつ売れたのか、いくら精算されるのかを曖昧にすると、後から確認が大変になります。
アクセサリー作家さんなら、カラー、金具、サイズ、素材違いも記録しておくと安心です。売れ筋を把握できると、次の納品やPOP-UP販売にも活かせます。日々の管理を整えたい方は、以下の記事も参考になります。
>>【無料テンプレ配布】ハンドメイド作家の売上管理スプレッドシート|仕入れ・在庫も管理
店舗や法人に近い形でやり取りする場合は、納品書、請求書、見積書が必要になることもあります。書類作成が負担になる場合は、Misocaで見積書・納品書・請求書作成のサービスを検討してもよいでしょう。
価格設定と手数料で赤字にしない
委託販売では、販売価格から手数料が差し引かれるため、イベント販売や自分のオンラインショップと同じ価格でも、手元に残る金額が変わります。たとえば、販売価格が3,000円の作品でも、委託手数料、材料費、梱包資材、納品にかかる交通費や送料、制作時間を考えると、利益が思ったより少なくなることがあります。
価格を考える時は、次の順番で確認しましょう。
- 材料費はいくらか
- 梱包資材やタグなどの付属費はいくらか
- 委託手数料や棚代はいくらか
- 納品や発送にかかる費用はいくらか
- 制作時間に対して無理のない価格か
- お店の価格帯と違和感がないか
- オンライン販売やイベント販売との価格差を説明できるか
ここで注意したいのは、「委託先に置いてもらうために安くしすぎる」ことです。価格を下げると売れやすく見えるかもしれませんが、利益が残らなければ作家活動を続けるのが苦しくなります。委託手数料を含めた価格の考え方は、以下の記事でも整理しています。
>>ハンドメイドの価格設定はどう決める?原価・利益・続けられる値段の考え方
委託販売は、売上だけで判断しないことが大切です。売上、利益、労力、学び、次につながるかを見て、続ける価値があるかを判断しましょう。
店頭で魅力が伝わる見せ方を作る
委託販売では、作家本人がその場で説明できないため、店頭で作品の魅力が伝わる設計が必要です。作品タグには、価格だけでなく、素材、サイズ、金具、重さ、注意点、ギフト向きかどうかなど、購入前に知りたい情報を入れておきましょう。POPには、次のような情報を入れると伝わりやすくなります。
- どんな人に向けた作品か
- どんな場面で使いやすいか
- 素材や制作のこだわり
- ギフトに向いているか
- 金具変更やオーダー可否
- 作家のSNSやオンラインショップ
ショップカードも大切です。委託販売で購入してくれたお客様が、後から作家名を検索したり、次の販売情報を見たりできるようにしておくと、リピーター化につながります。委託販売は、お店の棚だけで完結させない方が強くなります。
店頭で知ってもらい、ショップカードやQRコードからInstagram、BASE、公式サイトへ進んでもらう流れを作ることで、次回購入やPOP-UP来場につながりやすくなります。ショップカードの作り方は、以下の記事で詳しく整理できます。
>>【最新版】ハンドメイド作家がショップカードを作るべき理由!記載したい項目も解説
委託販売とオンライン販売を組み合わせる
委託販売だけで売上を安定させようとすると、店舗の来店数、置き場所、紹介頻度に左右されやすくなります。そこで考えたいのが、委託販売とオンライン販売の組み合わせです。
委託販売で作品を知ってもらい、ショップカードやタグからオンラインショップに進んでもらう。POP-UP販売で直接反応を見て、売れ筋を委託先に納品する。Instagramで入荷情報を知らせ、店舗やオンラインショップへ案内する。このように、販売場所を単体で考えず、接点ごとの役割を分けると動きやすくなります。
| 接点 | 役割 |
|---|---|
| 委託販売 | 常設の接点、地域のお客様との出会い |
| POP-UP販売 | 直接反応を見て、価格や説明を磨く場所 |
| オンラインショップ | 遠方のお客様、再購入、イベント後の購入先 |
| 入荷情報、制作背景、次の販売案内 |
オンラインの購入先がまだない場合は、BASEのようなネットショップを用意しておくと、委託販売やPOP-UPで知ってくれた人の受け皿を作りやすくなります。ただし、ネットショップを作っただけで売れるわけではありません。写真、商品説明、販売日、在庫、レビュー、SNSからの導線まで整えて、購入しやすい状態を作ることが大切です。
委託販売を続けるか判断するワーク
委託販売は、始めることよりも「続けるかどうかを判断すること」が難しい場合があります。売上が少ないからすぐやめる、売上があるからずっと続ける、という単純な判断ではなく、次の項目を見てみましょう。
- 直近3回の精算額はいくらですか
- 手数料、棚代、納品送料、交通費を引いた利益はいくらですか
- 納品、補充、在庫確認にどのくらい時間がかかっていますか
- そのお店でお客様と良い関係が作れていますか
- 自分の商品価値は店頭で伝わっていますか
- Instagramやショップカードから案内しやすい場所ですか
- 繰り返し置くことで育ちそうな場所ですか
- 自分自身が続けたいと思える場所ですか
この8つを見て、売上だけでなく、利益、労力、次につながるかを確認します。売上は大きくなくても、客層が合っていて、リピーターにつながっていて、POP-UPやオンライン販売への導線が作れているなら、育てる価値があります。
売上は少し出ていても納品や精算の負担が大きく、作品の世界観が伝わらず、次につながらない場合は条件を見直すか、別の販売場所を探してもよいでしょう。
委託販売から本業化を考える時の注意点
副業から本業化を目指す場合、委託販売は販売場所のひとつとして役立ちます。ただし、委託販売だけに売上を依存すると、店舗都合や来店数に左右されやすくなります。本業化を考えるなら、委託販売、POP-UP販売、オンライン販売、Instagram導線、リピーター化を組み合わせて、複数の接点を持つことが大切です。



本業化するなら委託販売は管理コストで大変なので、僕たちはおすすめしません。
取引先が増えたり、継続的な売上が出たりすると、売上管理、経費管理、開業届、確定申告、請求書などの実務も必要になってきます。開業届や確定申告に関する判断は、個別の状況によって変わるため、必要に応じて税務署や税理士など専門家にも確認してください。
よくある質問
ここでは、ハンドメイドの委託販売についてよくある質問を解説します。
ハンドメイド委託販売は初心者でもできますか?
できます。ただし、作品数が少ない段階でいきなり複数店舗に置くと、在庫管理や納品が大変になりやすいです。まずは1店舗から始めて、商品リスト、納品書、在庫表を作り、管理できる範囲で試すのがおすすめです。
委託販売の手数料はどのくらいですか?
手数料や棚代は店舗によって異なります。販売価格から手数料が差し引かれる場合、月額の棚代がかかる場合、初期費用がある場合などがあります。公開記事では具体的な相場を断定せず、各店舗の募集要項や契約条件を確認してください。
委託販売で売れない時はどうすればいいですか?
作品のセンスだけで判断せず、客層、置き場所、価格、POP、タグ、補充頻度、SNS導線を見直しましょう。イベントやPOP-UPで反応が良かった作品を委託先に置くなど、対面販売で得た情報を活かすのもおすすめです。



あくまで委託販売は手段の1つ。今は指名検索(この人だから)が重要です。そのため、私たちは委託販売を推奨していはいません。
委託販売とイベント販売はどちらがいいですか?
どちらが正解というより、役割が違います。イベント販売はお客様の反応を直接見られる場所、委託販売は自分が店頭にいない時間も作品を見てもらえる場所です。可能であれば、POP-UPやイベントで反応を見て、売れ筋や定番品を委託販売に活かすと改善しやすくなります。
委託販売でもショップカードは必要ですか?
必要です。委託販売では作家本人が接客できないため、購入後にSNSやオンラインショップへ進める導線が大切です。ショップカードやQRコードを入れておくと、次回購入、POP-UP来場、Instagramフォローにつながりやすくなります。
まとめ
ハンドメイドの委託販売は、自分が店頭に立たなくても作品を見てもらえる販売方法です。お店の雰囲気と作品が合えば、ブランドの信用づくりや地域のお客様との出会いにもつながります。
一方で、委託販売は「置けば勝手に売れる」ものではありません。客層、価格、ディスプレイ、POP、納品頻度、在庫管理、精算条件、SNS導線を整えることで、はじめて販売場所として育てやすくなります。
売れない時も、すぐに自分のセンス不足だと決めつけなくて大丈夫です。販売場所、見せ方、説明、価格、導線を分けて見直せば、改善できるポイントが見えてきます。
販売場所の選び方をさらに深く整理したい方は、AyakaのVol.4も参考になります。
委託販売、POP-UP、オンライン販売のどれを伸ばすか迷う方は、販売場所の選び方を一度整理しておきましょう。
講座へいきなり進む前に日々の発信を見たい方は、「売れるを教える」ayakaのInstagramで発信を確認してから、自分に合うか見てみるのもよいでしょう。
まずは、今の自分に合う販売場所をひとつ選び、売上、利益、労力、次につながるかを記録してみましょう。委託販売を「置いて終わり」にせず、作家活動を長く続けるための接点として育てていくことが大切です。
