- 「売上はあったはずなのに、口座のお金が増えていない」
- 「イベントのあとにまとまった入金があっても、次の材料を買うと残らない」
ハンドメイド販売を続けていると、売上が立つことと、手元にお金が残ることが同じではないと気づく場面があります。「ハンドメイドの売上が残らない」と感じたとき、最初に見るべきなのは、売上の大きさではなく、売上のあとに出ていったお金です。
これは、売れていないからとは限りません。材料費、販売手数料、送料、出店費、サブスク、生活費への移動など、売上のあとに出ていくお金を同じ場所で見ていると、どこで減ったのか分からなくなるからです。
この記事では、ハンドメイドの売上が手元に残らない理由を、売上・販売に直接かかった支出・継続的な固定費・事業に残った金額の4つに分けて整理します。月末に確認する表と、数字を見たあとに決める次の行動まで紹介します。
とも先生売上が増えたのに残らないときは、すぐに自分の販売力を責めないでください。まず、売上のあとに何が出ていったのかを分けて見ましょう!
- 売上と手元に残るお金が違う理由
- 月末に確認したい4つの数字
- 材料費や手数料など、売上から先に出ていくお金の分け方
- 売上が増えたのに残らないときの原因の切り分け
- 次の月に試すことを1つに絞る方法
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「ハンドメイドを本業にしたい。でも、お金の不安があって踏み出せない」そんな方へ。固定費を見直すことで、毎月の出費を減らし、本業化に向けた現実的な余裕をつくることができます。
結論:売上ではなく「売上のあと」を4つに分けて見る
ハンドメイドで売上があるのにお金が残らないときは、まず次の4つを別々に記録します。
- その月にいくら売れたか
- 売るために直接かかった支出はいくらか
- 作家活動を続けるための固定費はいくらか
- 事業のお金として実際にいくら残ったか
売上 - 材料費・送料・販売手数料・出店費など - 作家活動の固定費 - 生活費などへ移した金額 = 事業口座や管理上に残った金額
これは確定申告の利益を計算する式ではありません。まずは「売上がどこへ流れたか」を把握するための見える化です。税務上の利益や経費の扱いは、事業の状況に応じて税務署や税理士へ確認してください。
売上があるのにお金が残らない5つの理由
売上のあとにお金が減る理由は、1つとは限りません。特に、次の5つは一緒に起こりやすい項目です。
①材料費や手数料を売上から引いていない
アクセサリーの材料費、梱包資材、送料、販売サイトの手数料、決済手数料、イベント出店費などは、売上を作るために直接かかった支出です。
売上だけを見ると、入金された金額がそのまま使えるように感じます。しかし、次の販売に必要な材料を買い足すと、手元に残る金額は変わります。
商品の価格を考えるときは、材料費だけでなく、販売手数料、梱包、発送、制作時間まで含めて確認します。価格の決め方は、ハンドメイドの価格設定はどう決める?原価・利益・続けられる値段の考え方で詳しく整理しています。



材料費だけを見ていると、手数料や梱包費が後から効いてきます。売れた商品ほど、直接かかった支出を一緒に振り返りましょう!
②売上が立った月と支払いの月がずれている
ネットショップの入金日、クレジットカードの引き落とし日、イベント出店費の支払日、材料の仕入れ日が同じ月になるとは限りません。たとえば、今月のイベントで売上が立っていても、先月まとめて仕入れた材料費の支払いが今月に来ることがあります。
売上の月だけを見ていると、「売れたのに口座が減った」という印象になりやすいです。売上の集計と、口座のお金の動きは、別の欄で記録しましょう。どちらが正しいという話ではなく、見ている対象が違います。
③事業のお金と生活のお金が混ざっている
ハンドメイドの売上が生活費の口座に入り、材料費や日常の買い物も同じ口座から出ていると、事業としていくら残ったか分かりにくくなります。生活費へ移したこと自体が悪いのではありません。移した金額を記録せずに「いつの間にかなくなった」と扱うことが問題です。
まずは事業用の入金と支払いを一覧にし、生活へ移した金額を別欄に書きます。事業用の支払いを分ける方法は、ハンドメイド作家にクレジットカードは必要?事業用に分けるメリットと選び方も参考になります。
④少額の固定費が積み重なっている
販売ツール、写真加工アプリ、クラウド保存、会計サービス、保管場所など、作家活動のための月額費用が複数あると、1件ごとは小さくても毎月出ていきます。固定費は、売上が少ない月にも発生します。売上を増やす前に、毎月いくらが自動的に出ているのかを確認することが、活動を続けるための守りになります。
固定費を何でも解約する記事ではありません。利用中のサービス、必要なサービス、内容を確認したいサービスを分けることが目的です。生活固定費の棚卸しは、ハンドメイド作家の固定費を見直す方法|売上を増やす前に確認したい7項目で確認できます。
生活側の固定費を見直す候補を整理したい方は、固定費本診断の内容も確認してください。



固定費は、金額を最小にする競争ではありません。作家活動や生活に必要なものを残し、内容が分からない支払いを確認することから始めましょう!
⑤売上の大きさだけで、活動の状態を判断している
イベントで一度大きな売上が立つと、その金額を毎月の基準にしたくなります。しかし、出店費、交通費、材料費、制作時間を含めて見なければ、続けられる販売だったかは判断できません。
売上が大きかった月は、喜びと同時に「何が売上を作ったのか」を記録する月でもあります。注文件数、客単価、販売場所、人気商品、次回に残った金額を分けて見てください。
商品1点ごとの「仮の残り」を確認する
月全体のお金を見たら、よく売れている商品を1つ選び、1点売れた時の動きも確認します。仮の残りは、次のように整理できます。
販売価格 – 材料費 – 販売手数料 – 決済手数料 – 送料・梱包費 = 仮の残り
イベント販売なら、そのイベントの出店費や交通費をどう見るかも別に考えます。この数字には、制作時間や撮影、接客、発送準備などの手間をまだ含めていません。そのため、ここで出る金額をそのまま利益と決めないでください。
ただし、よく売れるのに仮の残りが少ない商品が分かれば、材料の使い方、梱包、送料、販売方法、価格のどこを確認するか決めやすくなります。
月末に見るべき4つの数字
月末に確認する数字は、最初から多くしすぎないことが大切です。現在地と目標を数字で可視化し、次にやることを決める考え方が扱われています。
①月商:その月にいくら売れたか
月商は、販売した商品の合計金額です。まずは対象期間をそろえます。
- 集計期間は1日から末日までか
- 注文日と入金日を混ぜていないか
- キャンセルや返金をどう扱うか
- イベントとオンラインを分けているか
月商は活動の大きさを見る数字ですが、使えるお金そのものではありません。売上が伸びたときほど、次の3つも同時に記録します。
②販売に直接かかった支出:売るためにいくら使ったか
作品が売れたことと直接結びつく支出をまとめます。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 材料 | 金具、ビーズ、生地、糸、台紙 |
| 販売・決済 | 販売サイト手数料、決済手数料 |
| 発送・梱包 | 送料、封筒、箱、緩衝材 |
| 出店 | 出店料、販売時の交通費、レンタル什器 |
| 外注 | 撮影、加工、制作補助など、実際に依頼したもの |
ここでは、税務上の経費になるかをその場で決める必要はありません。まずは「売るために支払ったもの」として記録し、税務処理が必要な項目は後で確認します。



最初から完璧な勘定科目を作らなくても大丈夫です。売上と一緒に動いた支出を、まず見つけられる状態にしましょう!
③作家活動の固定費:売れなくても出ていく金額はいくらか
固定費は、販売数に関係なく継続して支払う費用です。月額の販売・管理サービス、写真やデータの保存サービス、制作場所や保管場所の月額費用、事業用の通信やツールの利用料などが該当します。
毎月の支払いだけでなく、年払いも12か月で割って並べると、負担の全体像を見やすくなります。使っていないものがあっても、いきなり停止せず、契約条件と必要性を確認してください。
④事業に残った金額:次の活動に使える状態か
最後に、売上から直接支出と固定費を引いたあと、生活費などへ移した金額も考慮して、事業のお金としてどれくらい残ったかを見ます。大切なのは、銀行口座の残高をそのまま利益と呼ばないことです。前月からの残高、未払いのカード、先に仕入れた在庫、まだ入金されていない売上などがあるためです。
この記事では、まず「次の材料や販売準備に使えるお金が残っているか」を確認するための管理用の金額として扱います。正式な利益計算や申告は、別の基準で確認してください。
30万円売れても残らない?管理用の数字で考える例
次の表は、考え方を説明するための仮の例です。実際の利益や税金を示すものではありません。
| 項目 | 金額 | 見る意味 |
|---|---|---|
| 月の売上 | 300,000円 | その月に販売した金額 |
| 材料・送料・手数料など | -70,000円 | 売るために直接かかった支出 |
| 作家活動の固定費 | -30,000円 | 月額サービスなど |
| 生活費へ移した金額 | -100,000円 | 事業から生活へ移した金額 |
| 管理上、事業に残った金額 | 50,000円 | 次の活動に残した金額 |
この例では、月商は30万円ですが、事業に残った金額は10万円です。生活へいくら回したのか、直接支出がどれくらいか、次の販売に必要な金額が足りるかを確認するための数字です。
材料のまとめ買いが翌月に発生するなら、10万円をすべて自由に使えるとは限りません。次の販売に必要な支出を先に見積もり、使ってよい金額と残す金額を分けます。
「売上の不安」と「生活の不安」の分け方
ここでは、本業化に向けた不安を大きく2つに分けています。
- 商品、売り方、集客が伸びるかという売上面の不安
- その売上で生活できるかという生活面の不安
この2つを一緒にすると、売上が伸びないときに生活全体まで否定されたように感じたり、生活費が不安なときに販売方法だけを変え続けたりします。売上面では月商、注文件数、客単価、購入率、アクセス数を確認します。生活面では、生活に必要な金額、固定費、事業から生活へ移す金額を確認します。
「大きな売上を目指せばよい」ということではありません。現在地、目標、次にやることを数字と行動に分けて整理し、売上を伸ばす攻めと、生活を守る守りを同時に考えることです。



売上の数字だけで本業化を決めるのではなく、売上から何が残り、生活にいくら必要なのかを一緒に見ていきましょう!
月末15分でできるお金の確認手順
毎月の管理を続けるために、最初は15分で終わる範囲に絞ります。
Step 1:売上を販売場所ごとに書く
オンライン、イベント、委託など、販売場所ごとに売上を記録します。販売場所を分けると、売上だけでなく、手数料や出店費との関係も見えます。
Step 2:売るための支出を集める
材料、送料、梱包、手数料、出店費などを、その月の支払いとして一覧にします。カード払いで翌月に引き落とされる場合も、支払日と購入日を別欄に記録すると資金の動きを確認しやすくなります。
Step 3:固定費と生活への移動を別に書く
作家活動の固定費、生活費への移動、個人的な支払いを同じ欄に入れないようにします。生活費へ移した金額は、隠れた支出ではなく、事業から出ていった金額として記録します。



生活費へ移した金額も、事業から出たお金として書けば大丈夫です。見えない支出をなくすのではなく、見える支出に変えましょう!
Step 4:次の月に変えることを1つだけ決める
数字を見たあとに、価格、材料の仕入れ、出店、固定費、販売頻度をすべて変える必要はありません。次のどれか1つを選びます。
- 価格設定を見直す
- 材料のまとめ買いを確認する
- 使用していない月額サービスを調べる
- 販売場所ごとの手数料を比較する
- 生活へ移す金額を先に決める
次の月に1つだけ試すと、変化を確認しやすくなります。
数字を見たあと、どこを直すかの判断表
残った金額が少ないときは、感覚で値下げや新作制作へ進まず、変化している数字を探します。
| 状態 | 先に確認する場所 | 次の行動例 |
|---|---|---|
| 売上は増えたが残る金額が変わらない | 材料費、手数料、送料、出店費 | 商品ごとの直接支出を確認する |
| 売上は同じだが残る金額が減った | 固定費、生活への移動、カード支払い | 前月と支払先を比較する |
| 売上も残る金額も月ごとに大きく変わる | 販売日、入金日、仕入れのタイミング | 販売月と支払月を分けて記録する |
| 何に使ったか分からない | 事業と生活の支払い | 入金・支出・生活への移動を分ける |
売上が少ないからといって、すぐに商品数を増やす必要はありません。まずは、どの段階でお金が減っているのかを確認します。
3か月続けると「次にやること」が見えやすくなる
1か月分の数字だけでは、季節やイベントの影響を受けます。可能なら3か月分を同じ項目で記録します。
1か月目:流れを知る
正確さよりも、売上、直接支出、固定費、生活への移動を分けることを優先します。分類に迷う支出は「確認中」として残します。
2か月目:変化を1つ試す
価格、販売場所、仕入れ、固定費、生活への移動のうち、1つだけ変更します。複数を同時に変えると、何が影響したのか分かりにくくなります。
3か月目:続けられる形か確認する
売上だけでなく、制作時間、支出、手元に残った金額、次の販売に必要な資金を見ます。売上が大きくても、制作負担や支出が重すぎるなら、販売方法を調整する余地があります。



数字を見る目的は、前月の自分を責めることではありません。次に試すことを1つ決めるために使いましょう!
売上と生活に必要なお金の全体像を確認したい方は、ハンドメイド作家の収入はいくら?本業化までの売上・利益・働き方を解説も参考にしてください。
よくある質問
売上が残らないなら、すぐに値上げすべきですか?
すぐに値上げするのではなく、材料費、手数料、送料、制作時間、販売後の対応など、商品1点にかかる支出を確認しましょう。そのうえで、続けられる価格になっているかを見直します。値上げだけで解決するとは限らず、販売場所や仕入れ、商品数の調整が先になる場合もあります。
事業口座の残高が利益ですか?
事業口座の残高は、利益と同じではありません。前月からの残高、未払いのカード、先に購入した在庫、未入金の売上、生活へ移した金額などが含まれる可能性があります。この記事では、次の活動へ使えるお金を把握する管理用の数字として扱っています。
家計と事業のお金を完全に分けられません。
最初から完全に分けられなくても、入金、販売に直接かかった支出、固定費、生活への移動の4欄を作るところから始められます。専用口座やカードの導入を検討する場合は、家族の利用状況や手数料、管理のしやすさを確認してください。
何か月分の記録があれば判断できますか?
まずは1か月で流れを把握し、可能なら3か月分を同じ項目で比較します。イベントや季節商品がある場合は、通常月と販売月を分けて見ると、売上の波と支出の波を区別しやすくなります。
まとめ:売上のあとに残るお金を、月末に確認しよう
- 月商はいくらだったか
- 売るために直接かかった支出はいくらだったか
- 作家活動の固定費はいくらだったか
- 事業のお金としていくら残ったか
ハンドメイドで売上があるのにお金が残らないときは、販売力だけを責める必要はありません。まず、売上のあとに何が出ていったのかを分けて見ます。本業化を考えるときは、売上面の不安と生活面の不安を分けることが大切です。現在地、目標、次の行動を数字に落とし込み、次の月に変えることを1つに絞ります。
まずは直近1か月の売上と支出を書き出し、「売上のあとに残った金額」を確認してみてください。
この記事では、売上のあとにいくら残るのかを確認しました。そのうえで、購入後の接点や販売リズムまで整えて、毎回ゼロから売る状態を見直したい方は、リピーター化の考え方も学んでおくと次の行動を決めやすくなります。
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