- 「売上はあるのに、手元にお金が残っている感じがしない」
- 「どの商品が利益につながっているのかわからない」
- 「仕入れや在庫をノートに書いているけど、見返しにくい」
ハンドメイド作家として販売を続けるなら、売上管理は避けて通れません。ただし、最初から難しい会計ソフトや細かい帳簿を作る必要はありません。
まずは、売れた商品、販売先、材料費、手数料、在庫の動きをスプレッドシートに残すだけで十分です。数字が見えるようになると、次に作る商品や仕入れる材料を決めやすくなります。
この記事では、ハンドメイド作家さん向けに、無料で使える売上管理スプレッドシートの使い方を解説します。仕入れ・在庫・売上をまとめて管理したい作家さんは、まずテンプレートをコピーして使ってみてください。
ハンドメイド作家向けの売上管理スプレッドシートを無料で配布しています。
- 売上管理
- 仕入れ管理
- 在庫管理
- 月別の振り返り
コピー後は、自分の商品名や販売先に合わせて自由に編集できます。
とも先生講師として作家さんの相談を聞いていると、「何が売れているか」よりも「何が利益に残っているか」でつまずく方が多いです。感覚ではなく、まずは数字で見えるようにしましょう!
この記事でわかること
この記事でわかることは以下の5つです。
- 無料テンプレートで管理できる項目
- 売上管理スプレッドシートの使い方
- スプレッドシート、Excel、アプリ、手書き台帳の違い
- ハンドメイド向け売上管理アプリの比較
- 仕入れ・在庫・売上管理でつまずかないコツ
すでに販売を始めている方は、過去の売上を全部入力しようとしなくて大丈夫です。まずは今月分だけ入れて、続けられる形を作りましょう。
無料テンプレートで管理できること


今回配布するテンプレートでは、ハンドメイド販売で最低限見ておきたい数字を管理できます。最初から完璧な帳簿を作るより、毎月見返せる形にすることが大切です。
テンプレートで管理できる主な内容は以下のとおりです。
| シート名 | 入力する項目 | 見えるようになること |
|---|---|---|
| 売上管理 | 販売日、商品名、販売先、販売価格、手数料、送料 | どの商品が、どこで、いくら売れたか |
| 仕入れ管理 | 仕入日、材料名、購入先、金額、用途 | 何にどれくらい材料費を使ったか |
| 在庫管理 | 商品名、在庫数、補充目安、保管場所 | 欠品や作りすぎを防ぎやすいか |
| 月別まとめ | 月の売上、材料費、手数料、残った金額 | 毎月の活動を振り返れるか |
売上管理で大切なのは、細かい数字を完璧にそろえることではありません。販売活動を続けるために、判断材料を残すことです。
たとえば、イベントでよく売れる商品がわかれば、次回の持ち込み数を増やせます。材料費が高い商品が見えれば、価格や仕入れ方法を見直せます。
価格や原価の考え方を整理したい方は、以下の記事も参考にしてください。
>>ハンドメイドの価格設定はどう決める?原価・利益・続けられる値段の考え方
スプレッドシートは、スマホでもパソコンでも使えます。イベント会場ではスマホでメモし、自宅でパソコンから整える使い方もおすすめです。
スプレッドシートテンプレートの使い方3ステップ
テンプレートは、以下の3ステップで使い始められます。
- ステップ1: テンプレートをコピーして初期設定する
- ステップ2: 売れた日と仕入れた日に入力する
- ステップ3: 月末に3つの数字だけ確認する
難しい関数や会計知識がなくても、まずはこの流れで十分です。ここからは、実際の使い方を順番に解説します。
ステップ1: テンプレートをコピーして初期設定する
まずは、テンプレートを自分のGoogleドライブにコピーします。コピーしたら、商品名、販売先、材料名を自分用に変更しましょう。
最初に入れておきたい項目は以下のとおりです。
| 項目 | 入力例 | ポイント |
|---|---|---|
| 商品名 | 淡水パールピアス | あとで集計しやすい名前にする |
| 販売先 | minne / Creema / イベント | 販売場所ごとの違いを見る |
| 材料名 | パール、金具、台紙 | 使う頻度が高い材料から入れる |
| 補充目安 | 残り5個 | 欠品前に気づけるようにする |
商品名は、細かく分けすぎなくて大丈夫です。まずは「ピアス」「リング」ではなく、「淡水パールピアス」のように売れ筋がわかる粒度で入力しましょう。
ステップ2: 売れた日と仕入れた日に入力する
売上管理は、毎日きれいに整える必要はありません。売れた日、仕入れた日、イベントが終わった日だけ入力できれば十分です。
売上管理で入力する項目は以下の5つから始めましょう。
| 項目 | 入力する理由 |
|---|---|
| 販売日 | 月ごとの売上を見やすくするため |
| 商品名 | 売れ筋を確認するため |
| 販売価格 | 売上を把握するため |
| 材料費 | 利益が残りやすい商品を見るため |
| 手数料・送料 | 実際に残る金額を近づけるため |
イベント出店後は疲れているため、入力を後回しにしがちです。ただし、記憶が新しいうちに短時間だけメモしておくと、次回の準備がかなり楽になります。



講師の現場でも、材料をまとめ買いしたときに「どの作品にいくら使ったかわからない」と悩む方が多いです。最初はざっくりで大丈夫なので、よく使う材料だけでも記録しましょう!
ステップ3: 月末に3つの数字だけ確認する
月末に見る数字は、最初は3つだけで十分です。
- 月の売上
- 材料費と手数料
- 在庫が残っている商品
私たちも、初期は売れた商品を紙に書いて後で集計し、販売数が増えてからパソコンとスプレッドシートで売上・仕入れを管理するようになりました。記録はきれいな帳簿を作るためだけでなく、次に作る商品や続ける販売場所を決めるために使います。
売上だけを見ると、活動が順調に見えることがあります。ただし、材料費や手数料を引いたあとに残る金額を見ることが大切です。
たとえば、よく売れる商品でも材料費が高すぎる場合があります。反対に、販売数は少なくても利益が残りやすい商品もあります。
この違いが見えると、次に作る商品を決めやすくなります。売上管理は、過去を記録するためだけでなく、次の制作と販売を決めるために使いましょう。
まずは今月分だけで大丈夫です。売上、仕入れ、在庫を1つのスプレッドシートにまとめてみましょう。
ハンドメイド作家の管理術5選
ハンドメイド作家の仕入れ・売上管理には、主に5つの方法があります。
- 管理術① スプレッドシート
- 管理術② Excel
- 管理術③ レジシステム
- 管理術④ アプリ
- 管理術⑤ 手書き台帳
最初におすすめなのは、無料で始められるスプレッドシートです。販売数が増えてきたら、アプリやレジシステムとの併用を検討しましょう。
| 管理方法 | 向いている人 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| スプレッドシート | 無料で始めたい作家さん | スマホとパソコンで使える / 自由に編集できる | 最初の項目設計が必要 |
| Excel | パソコン中心で管理したい作家さん | オフラインでも使える / 大量データに強い | 利用環境によって費用がかかる場合がある |
| レジシステム | イベントや対面販売が多い作家さん | 決済と売上記録をつなげやすい | 端末や手数料の最新条件を確認する必要がある |
| アプリ | スマホで手軽に管理したい作家さん | 写真や在庫を管理しやすい | 無料範囲や引き継ぎ方法を確認する必要がある |
| 手書き台帳 | デジタルが苦手な作家さん | すぐ書ける / 電源不要 | 検索や集計に時間がかかりやすい |
ここからは、それぞれの管理方法を解説します。
管理術① スプレッドシート
スプレッドシートは、Googleが提供する表計算ツールです。インターネット環境があれば、パソコンでもスマホでも使えます。
スプレッドシートのメリットは以下の3つです。
- 無料で始めやすい
- 自動保存される
- 自分用にカスタマイズしやすい
ハンドメイド販売は、作品数や販売先が少ない時期ほど管理を後回しにしがちです。ただし、早い段階で売上と仕入れを残しておくと、販売数が増えたあとも慌てずに済みます。
「まずは無料で管理を始めたい」「売上管理アプリに課金するほどではない」という作家さんは、スプレッドシートから始めましょう。
管理術② Excel


Excel(エクセル)は、Microsoftが提供する表計算ソフトです。パソコン中心で作業する方や、オフライン環境でも管理したい方に向いています。
Excelのメリットは以下の3つです。
- オフラインでも使いやすい
- 大量の商品データを扱いやすい
- 関数やグラフを使って分析しやすい
一方で、利用環境によっては費用がかかる場合があります。無料で始めたい方は、まずGoogleスプレッドシートで十分です。
すでにExcelを使い慣れている方は、Excelで管理しても問題ありません。大切なのは、どのツールを使うかよりも、継続して数字を残すことです。
管理術③ レジシステム|Square(スクエア)やAirペイ(エアペイ)


イベント出店や対面販売が多い作家さんは、レジシステムの導入も検討できます。クレジットカードやQRコード決済に対応できると、現金を持っていないお客様にも販売しやすくなります。
代表的なサービスには、Square(スクエア)やAirペイ(エアペイ)があります。
| サービス | 向いている場面 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| Square(スクエア) | イベント販売、店舗販売、オンライン決済をまとめたい場合 | 端末代、決済手数料、入金サイクル、対応決済方法 |
| Airペイ(エアペイ) | 複数の決済方法に対応したい場合 | キャンペーン条件、審査、端末条件、入金サイクル |
決済手数料やキャンペーン条件は変わる場合があります。導入前に、公式ページで最新情報を確認してください。
Squareの導入判断やイベント前の使い方は、以下の記事で詳しく整理しています。
>>Square(スクエア)決済はハンドメイド作家に必要?導入判断と使い方・手数料まとめ
私たちも対面販売では、現金以外の決済ニーズを感じる場面がありました。特にイベントでは、お客様が「カードなら買いたい」となることもあります。
ただし、売上管理のためだけに最初からレジシステムを導入する必要はありません。まずはスプレッドシートで売上を見える化し、対面販売が増えてきた段階で検討しましょう。
管理術④ アプリ


売上管理アプリは、スマホだけで管理したい作家さんに向いています。商品写真、在庫数、販売履歴をスマホで確認しやすいのがメリットです。
ハンドメイド作家向けに使われることがあるアプリには、sellerbook(セラーブック)やサッカノカンリなどがあります。
アプリのメリットは以下の3つです。
- スマホで入力しやすい
- 商品写真や在庫を管理しやすい
- 通知やグラフ機能を使える場合がある
一方で、無料で使える範囲やデータの引き継ぎ方法はアプリごとに異なります。機種変更時の扱いやバックアップ方法は、事前に確認しましょう。
アプリは便利ですが、すべての作家さんに必要なわけではありません。まずは無料のスプレッドシートで足りない部分を見つけてから、必要に応じてアプリを試すのがおすすめです。
管理術⑤ 手書き台帳


デジタルツールが苦手な方は、手書き台帳から始めても問題ありません。ノートや手帳に、売れた商品、販売価格、仕入れた材料、在庫数を残しましょう。
手書き台帳のメリットは以下の3つです。
- すぐに書ける
- 電源やネット環境がいらない
- 自分の感覚でメモを残しやすい
ただし、記録が増えるほど検索や集計に時間がかかります。月別の売上や商品別の利益を見たい場合は、スプレッドシートに転記するほうが楽です。
手書きで始める場合も、月末だけはスプレッドシートにまとめる方法がおすすめです。ノートの気軽さと、表計算の見返しやすさを組み合わせましょう。
売上管理アプリを比較|スプレッドシートとの違い
売上管理アプリは、スマホで入力しやすいのが魅力です。ただし、ハンドメイド作家さんにとって必要な機能は、販売スタイルによって変わります。
ここでは、代表的な選択肢を比較します。料金や機能は変更される場合があるため、利用前に公式情報を確認しましょう。
| ツール | 種類 | 向いている人 | 主な特徴 | 確認したいこと |
|---|---|---|---|---|
| sellerbook(セラーブック) | 管理アプリ | スマホで商品・在庫を管理したい作家さん | 商品管理、在庫管理、売上記録などに使える可能性 | 無料範囲、有料機能、バックアップ方法 |
| サッカノカンリ | 管理アプリ | アクセサリー系の材料や原価を管理したい作家さん | パーツや原価管理に使える可能性 | 対応OS、引き継ぎ方法、料金 |
| Googleスプレッドシート | 表計算ツール | 無料で自由に項目を作りたい作家さん | 売上、仕入れ、在庫をまとめて管理しやすい | 共有設定、コピーURL、入力項目 |
| Excel(エクセル) | 表計算ソフト | パソコン中心で管理したい作家さん | 大量データや関数に強い | 利用環境ごとの費用、保存場所 |
| 手書き台帳 | ノート管理 | デジタルが苦手な作家さん | すぐ書けて始めやすい | 紛失対策、月末の集計方法 |
アプリは便利ですが、最初から有料機能まで使う必要はありません。まずは無料範囲で試し、入力が続くかを確認しましょう。
スマホだけで完結したい方はアプリが合います。自由に項目を変えたい方や、パソコンでも見返したい方はスプレッドシートが合います。
仕入れ・売上管理でつまずかないコツ
仕入れ・売上管理でつまずかないコツは以下の3つです。
- 毎日完璧に入力しようとしない
- 商品ごとの利益をざっくり見る
- 月末に次の制作へつなげる
管理は、続けられることが最優先です。細かく作り込みすぎると、入力が面倒になって止まりやすくなります。
毎日完璧に入力しようとしない
売上管理は、毎日完璧に整える必要はありません。イベント後、発送後、仕入れ後など、数字が動いたタイミングで入力できれば十分です。
忙しい時期は、スマホのメモやノートに一時的に残しても問題ありません。あとでスプレッドシートに転記できる状態にしておきましょう。
商品ごとの利益をざっくり見る
売上が高い商品でも、利益が残りやすい商品とは限りません。材料費、販売手数料、送料、梱包資材なども含めて見ることが大切です。
ただし、最初から細かく計算しすぎる必要はありません。まずは商品ごとの販売価格と材料費を残し、利益の傾向をざっくり見ましょう。
月末に次の制作へつなげる
売上管理は、入力して終わりではありません。月末に数字を見返し、次に作る商品や仕入れる材料を決めるために使います。
たとえば、在庫が残っている商品は写真や見せ方を変える。売れ筋の商品は色違いやサイズ違いを作る。このように、数字を次の行動につなげることが重要です。
収入や本業化の考え方まで整理したい方は、売上管理とあわせて以下の記事も読んでおきましょう。
>>ハンドメイド作家の収入とは?本業にできる?月収を安定させるコツ
よくある質問
ハンドメイド作家さんからよくある質問をまとめました。
スマホだけでも売上管理できますか?
スマホだけでも売上管理はできます。スプレッドシートアプリや管理アプリを使えば、イベント会場や移動中でも入力可能です。ただし、商品数が増えたらパソコンのほうが見返しやすくなります。スマホ入力とパソコン整理を分ける方法がおすすめです。
無料ツールだけで始めても大丈夫ですか?
最初は無料ツールだけで大丈夫です。Googleスプレッドシートや手書き台帳でも、売上、仕入れ、在庫の記録は始められます。有料アプリや会計ソフトは、販売数が増えて管理に限界を感じた段階で検討しましょう。
手書きとスプレッドシートはどちらがいいですか?
続けやすさを優先するなら、最初はどちらでも問題ありません。見返しや集計まで考えるなら、スプレッドシートがおすすめです。手書き派の方は、日々のメモをノートに残し、月末だけスプレッドシートにまとめましょう。
確定申告にも使えますか?
テンプレートは、日々の売上や仕入れを整理するための補助として使えます。ただし、確定申告に必要な記録や判断は状況によって異なります。不安な場合は、税務署や税理士に確認することをおすすめします。
以下の記事では、ハンドメイド作家の確定申告について詳しく解説しています。
>>ハンドメイド作家の確定申告は必要?いくらから?仕訳の具体例や申告方法を解説
まとめ:無料テンプレートで売上管理を始めよう!
ハンドメイド作家の売上管理は、難しく考えすぎる必要はありません。まずは、売上、仕入れ、在庫を1つの表に残すことから始めましょう。
この記事で解説した管理方法は以下の5つです。
- 管理術① スプレッドシート
- 管理術② Excel
- 管理術③ レジシステム
- 管理術④ アプリ
- 管理術⑤ 手書き台帳
最初におすすめなのは、無料で使えるスプレッドシートです。テンプレートを使えば、項目を一から作る手間を減らせます。
「何が売れているか」「どこにお金がかかっているか」「次に何を作るべきか」が見えると、販売活動は続けやすくなります。まずは今月分だけ、数字を残すことから始めましょう。
記録した数字を月ごとの振り返りに使いたい方は、ハンドメイド作家が最初に見るべき数字も参考にしてください。
ハンドメイド作家向けの売上管理スプレッドシートを無料で使えます。
売上や仕入れを整理したら、活動を続けるために家計側の固定費も確認しておくと安心です。固定費の現在地を整理したい方は、固定費 本診断も参考にしてください。
記録した売上・経費を確定申告までつなげたい方は、マネーフォワード クラウド確定申告の詳細を確認する![]()
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